スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 / 香山リカ

なんか職場でダルくなってきたので、今日の出勤時に読み終えた本の紹介など。
比較的多分野で多くのベストセラーを出版している「幻冬舎」が満を持して創刊した新書シリーズの中の一冊。

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)

精神科医である香山リカさんが、最近の江原啓之を中心とするスピリチュアルブームの背景にある、社会構造の変化や日本人のメンタリティの変化について彼女なりの意見を書いたもの。
僕はこの香山さんの本は何冊か持っているし、毎月SFマガジンに掲載されるコラムも好んで読んでいる。「精神」って分野に興味があることもあるけど、彼女の意見は比較的理性的でかつ理論的で、しかもあるていど中立性を保っているように思われるから。


で、今回の本。実は「精神科医」という視点で見たもっと踏み込んだ感じのものを想像していたんだけど、内容的にはブーム以前からブームに到るまでの社会や人間の変化と、そのブームを支える人たちの紹介、そしてそれらに対する「香山リカ」の立ち位置等を書いたもの。だから、スピリチュアルを真っ向から否定するものでもないし、かといって肯定するものでもなかった。
僕自身、スピリチュアルを否定するつもりは毛頭無いけど、この本で香山さんが書いているように、スピリチュアルに傾倒している人がスピリチュアルを理解しない人に対して「頭が固く感性の鈍い人」「目に見える世界しか信じられない心の貧しい人」と思ってしまうような現状を快くは思っていなかったので、どちらかというと引き気味だった。でも、この本を読み現在のブームの背景の一端を知り、改めて自分なりにこのスピリチュアルブームを考えてみようかな...と思わせられました。