SONY VAIO Type Pのインプレッション

setsura2009-02-03

さてさて、予想外の1月30日に届けられたType Pについて何日か使ってみた感想などを書いてみます。
まず、自分が購入したType Pのスペックは以下の通り。

  • モデル VGN-P90HS
  • カラー クリスタルホワイト
  • OS Windows Vista Home Basic
  • CPU Intel Atom Z540(1.86GHz)
  • メモリ DDR2 SDRAM 2GB
  • ディスプレイ UWXGA(1600x768)8型TFT液晶
  • ドライブ SSD 64GB
  • webカメラ 31万画素
  • バッテリー 標準
  • その他 Bluetoothあり、ワイヤレスLANあり、ワンセグなし、ワイヤレスWANなし、GPSなし

ごらんの通り、速度向上面は贅沢であるものの、おもちゃ的なものは一切省いた仕様となっています(^^ゞ

外観

早速外観からみていきますかね。
Type Pの購入決定に伴いなし崩し的に購入したDELL Inspiron Mini 9も非常にきれいな外観だけど、それと比較しても圧倒的に高級感があり、美しいType Pの外観。
マグネシウム製の外装に自動車の外板のような深みのある光沢塗装。そこにきらりと光る「VAIO」の文字は、所有者に絶対的な満足感を与えます。しかも天板だけでなく裏面にまでもデザインされていて、さすがにこの辺は上手だなぁと思わせられました。
そしてディスプレイをあけると、本体の大きさには似つかわしくないくらいしっかりしたキーボードと比較的小振りなディスプレイ、新たに設計された可変トルクヒンジも軽快で、なんか触っていてワクワクしちゃいます。

ディスプレイ

8型の細長いサイズにUWXGA(1600x768ドット)という超高精細の液晶を搭載したディスプレイは、一言で言えば、
「字が小っちゃーい、み、見えなーい」
って感じ(^_^;
最初は、システムフォントを120dpiにしてみたりいろいろやってみたんだけど、アプリケーションのメニューデザインが崩れたりするのがイヤになり、結局は標準に戻してしまいました。それでもブラウザでは多少字を大きくし、普段使うテキスト・エディッターはメイリオの14ポイントにして使っています。
字が小さい以外では視野角や発色は全く問題はなく、強いていえばグレアタイプの液晶なので多少写り込みが気になるといったとこです。

キーボード

キーボードは最近のVAIOノートに共通のデザインをとっていて、スタイリッシュであるだけでなく、キーピッチやストロークが十分にとられており数多のネットブックとは一線を画す快適さ。
3週間ほど使用したInspiron Mini 9は一部に変則的なキー形状等あって、キーもかなり小さかったけど、そんなに打ちにくいということはなく支障は感じませんでした。けどね、このType Pのキーボードに触れてしまうと、もうMini 9には戻れないって感じです。
一つ難点をあげれば、キーボードの手前側(スペースキーのある方)の縁が一段高くなっていて(キートップと面位置かな)、そこにマウスボタン(?)が設置されているので一番手前側のキー群が親指では若干打ちにくいです。これは大容量バッテリーつけた際にできるような傾斜があれば使いやすいのかもしれないけど、標準バッテリーでは如何ともし難いところです。
でもホント気持ちの良いキーボードで、打ってるのが楽しくなります。


動作全般

さて、比較的良いことばかり書いてきましたが、全般的な動作スピードはちょっといただけません。
購入前から動作の遅さについては各方面のレビューで書かれていたので、オーナーメイドモデルで選択し得る一番速いCPUで挑んだわけですが...結果はやっぱり遅いなぁというものです。どうやらこの遅さの原因は演算にかかるスピードではなく、グラフィック系の処理が壊滅的に遅いこととOSがVistaということに由来するよう。
で、ちょっと調べてみたらインテルAtomプロセッサは、いわゆるネットブックに搭載されているNシリーズと、Type Pに搭載されている Zシリーズの二種類あるそうです。
NシリーズはWindowsXPと945GSEというグラフィックチップを組み合わせたうえで比較的安価なPC(ネットブック)用として使用されましたが、Zシリーズは、そもそもPC用ではなくより小型のMID用として開発されて、省電力化と小型化のために非力なグラフィックチップを内蔵(GMA500)した形になっているんだそうな。
そんなわけで、現在XPで動作しているNシリーズは動かそうと思えばVistaのAeroが動作しますが、ZシリーズはそもそもAeroをサポートすらしてないらしい。
つまり、Type Pは小型化省電力化のためにZシリーズを選択し、たぶん安価なネットブックよりもグラフィック面では劣っているということになるみたいです。
だったら、OSをVistaじゃなくてXPにしてくれた良かったのに....と私も思いますが、まぁそこにはほかにも難しい問題があるんでしょうねぇ。
さて、各ウィンドウの表示スピードにWindows黎明期を思い出させ、懐かしい感じすらするType Pですが、ネットブックと比較してメインメモリやディスク(SSD)の容量には余裕があるので、複数のアプリケーションを立ち上げてもInspiron Mini 9の様にいきなり破綻することはないようです。

インスタントモード

この動作の遅さをカバーするためか、Type PにはLinuxベースのインスタントモードが用意されています。とりあえずブラウザ(FireFox)とSkypeを使ってみましたが、確かに動作が軽く、今後、どういったシーンで使えるか考えていきたいと思います。
また、Linuxというものに触れるのが初めてだったので、このモードにもアプリケーションやドライバの追加が行えればおもしろいかなぁと思っています。

その他

ここまで、ほぼ満足といっていい出来のType Pですが、どーしても許せないことが2点ほどあります。
ひとつはスピーカー。いくらスペースが無いとはいえ、携帯電話ですらかなり高音質になっている昨今、どーしてここまでチープなスピーカーしか搭載できなかったのか解せません。
ふだんSkypeを利用するときには、USBフォンを利用しているんですが、インスタントモード時にはドライバがないので利用できません。なので、やむを得ずスピーカーを利用したんですが....よく聞き取れず会話が成立しません。しかたなくヘッドフォン利用しました。
ふたつ目はこのヘッドフォン端子。Type Pではノイズキャンセリング・ヘッドフォンを利用できるんですが、この端子がなんと独自仕様の専用品(-.-#)。信じられません。あれだけノイズキャンセリング機能のついたウォークマンをリリースし、SONYノイズキャンセリング端子が定着してきているのに、何をいまさら考えているのか....これだけは怒りすら覚えます。

まとめ

さてさて、いろいろ書いてきましたが、総じて思うのは久々に外見も中身もSONYらしい端末だということ。正直、単純な使い勝手いえば、DELL Inspiron Mini 9の方がOSがXPであることもあり、ストレスは感じないかもしれません。
でも、非力な部分を補って余りある、携帯性とデザイン、そしてキーボードなどの使い勝手によりかなり魅力ある端末となっていて、実際満足していることは間違いないです。
今後、日々持ち歩いて使用し、新たな発見や問題が発生したら、またレポートしたいと思います。