ISS計画は断熱材とともに散ってしまうのか?

ISSの建設はさらに厳しい局面を迎えることとなる。
NASAは今回の燃料タンクの断熱材剥離を受けて、当分の間スペースシャトルの打ち上げを中止すると発表した。
http://cnn.co.jp/science/CNN200507280003.html
今回、ディスカバリーの打ち上げの際に外部燃料タンクのすくなとも3カ所から断熱材が剥離し落下した。そのうちの一つは長さ84cmの大きさがあり、コロンビアの左翼前縁に損傷を与えたものと同じ位の大きさだったという。

写真中央部の白い部分が剥離箇所。

剥離部位の拡大写真。
NASAは今回の事案を深刻に受け止め、ディスカバリーに深刻な損傷がみられた場合にISSに救出に向かう予定だった「アトランティス」(「エンデバー」との報道もあり)の打ち上げも中止した。よって、ディスカバリーの損傷が深刻だった場合、乗員はISSに留まり、ソユーズによるピストン輸送を待つことになる。
幸いなことに、現在までにディスカバリーにはそれほど深刻な損傷は見られないようで、このまま帰還する予定ではあるけどね....。
今回の決定によって、2010年に予定されるスペースシャトルの退役を延期しない限り、ISSの完成は絶望的になった。まあ、莫大な費用の割にその効果が疑問視されていたISSだけに、今回のディスカバリーの件は、米国がISSから撤退するいい口実になるのかもしれない。