ヒトラー

午前中は昨晩の片付けをしつつ、少々しょっぱい煮物をおかずに、久々に炊いたご飯を食べる。その後、ぶらりとビデオ屋まで行って借りてきたDVD。

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

歴史家ヨアヒム・フェストの「ダウンフォール」と、ヒトラーの秘書トラウドゥル・ユンゲの回想録「最期の時間まで」に基づいて製作されたドキュメント映画。
1945年4月20日、ついにソ連軍の砲火が襲ってきた首都ベルリン。ヒトラーとその側近たちは、総統官邸地下の要塞に避難していた。もはや敗戦は目前であったが、冷静な判断力を失ったヒトラーは、わずかに残った部隊と市民兵によって戦況の挽回を命じ、情勢を更に悪化させてゆく。そんな中、側近達は、最期まで運命をともにするのか、袂を分かって逃亡を謀るのか、そんな選択を迫られる。そんな状況を間近で目撃していた総統秘書のユンゲであったが、ある日、ヒトラーから遺書の口述筆記を依頼される...
全編にわたり、物語は秘書のユンゲの視線で語られる。今まで語られていたヒトラーは、冷酷で偏執狂で人間性の欠片もないような、そんな人間だったが、この物語では、普通に秘書や子供達へのやさしさを見せる「人間」として描かれている。とはいえ、ヒトラーの行った数々の残虐な行為を否定するような作りにはなっている訳ではなく、あくまでリアルにヒトラーという人物を描いたという感じだ。それ故に、ある程度の人間らしさを持っていたとしても、あのような蛮行を行ってしまった「人間」ヒトラーを深く考えさせられるような物語となっている。
映画としても非常に丁寧に作ってあり、映像や俳優の演技も素晴らしかった。特にヒトラー役のブルーノ・ガンツは、本当にリアルな演技を見せていた。
僕の苦手な史実モノとしては、良い出来だと思う。