クリスタルサイレンス(上・下) / 藤崎慎吾
なんか時間だけ過ぎていくねぇ...
- 作者: 藤崎慎吾
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 文庫
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...と、このようなあらすじを書くと、地球外生命体とのファースト・コンタクト物のSFだと思われるかもしれないけど(実は僕もそうだった)、確かにそういった部分もあるが、物語の中心は電子ネットワークの世界である。著者は、無法地帯的なインターネットの爆発的な普及後、それとは別に国ごとの倫理観や宗教観を維持した新たな超高速ネットワークの普及を示唆しており、今回の物語はそのネットワーク上の存在を中心に物語が展開する。あまり書くとネタバレになってしまいそうなので止めておくけど、久々にドキドキしながら読んだ本だった。
なお、この「クリスタルサイレンス」は、1999年10月に朝日ソノラマから著者の長編デビュー作として刊行され、「ベストSF1999」国内篇1位にもなっていて、今回「ハイドゥナン」という新作が早川書房から出版されるにあたり、ハヤカワ文庫で再版となったらしい。恥ずかしながら全然知りませんでした。
このところ、小説を読んでもそれに伴って新しい興味が湧くと言うことはなかったんだけど、今回は色々と考えさせられ「脳の構造」や「意識の定義」についての文献をインターネットで漁り始めている次第。何かまとまったら書いてみたいと思う。