アトモスフィア2 / 西島大介

本の感想を書いているぐらいなら帰ればいいのかもしれないけど、そうもいかないのがウチの職場。
今回紹介するのは、先日紹介*1したアトモスフィア1の続編で完結編。
アトモスフィア 1 / 西島大介 - So What?
発売日から二日遅れの23日、有楽町の丸善で購入したモノ。なんとコミックコーナーではなく、日本文学コーナーに平積みされていた。

アトモスフィア (2) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

アトモスフィア (2) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

さて、物語も完結していることだし、今回はきちんと全編のあらすじから書こう。
主人公である「わたし」は、ある日、「わ・た・し・」に出会う。そしてその「わ・た・し・」は「わたし」の居場所を奪い、「わたし」を世界から締め出した。でも、あらかじめみんなを赦している「わたし」は、それを受け入れる。しかし「わ・た・し・」は、そんな「わたし」を社会的にだけではなく、物理的にも抹殺しようとする。そんなとき「わたし」は「守る会」に助けられたのだ。社会的な居場所が無くなってしまった「わたし」は、仕方なく「守る会」での生活を始めるのだが、いつの間にか、望みもしないのに「守る会」の支部長となってしまう。そしてそんなこととは関係なく「世界」は果てしなく増殖していくこととなる....
第1巻は「わたし」の前に現れる「分身」や「守る会」でのエピソードなど、ミステリータッチで描かれ、書かれている言葉は少々ぶっ飛んでいても、比較的一般(笑)の読者にも取っ付きやすい物語だと思う。
しかし、第2巻の内容はどうだろう?西島大介の傾向から、ある程度予想はしていたものの、不条理感がすざましい勢いで強くなっていくため、1巻の気持ちやペースで読んでいると、理解しがたかったり、裏切られた気持ちになっていくかもしれない。しかも「あの」エンディング....ヘタすると20代前半より若い方は、そのもの自体が理解できない虞があるようなオチで、たとえ理解できたとしても非常に受け入れにくい...
僕は決してこの手の物語がキライなわけではない。ただ今回は、すべてを読み終えたにもかかわらず、未だに西島大介の意図を理解したのかどうかがわからず、チョット気持ちの悪い状態が続いている。
あまり同じ本を読み返す事がない僕だけど、この本に関しては、また時間をおいて読み直し、是非ともこの気持ち悪さを解消しなければならないと思った。
さてさて、帰ろうかなぁ...

*1:内容にはほとんど触れていないけど...